- 民事再生でも過払い金は回収できますか?
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過払い金があれば、民事再生の場合も回収することが可能です。
過払金とは、本来支払う必要がないにもかかわらず、貸金業者に支払い過ぎたお金のことです。
お金を貸す際に守らなければならない金利の上限は「利息制限法」という法律により、借金の元本に応じて15~20%と定められています。
貸金業者は、利息制限法の上限を超えた金利を受け取る法律上の権利がありませんので、利息制限法の上限を超える金利を受け取っている場合で、これまで返済した金額が法律上返済すべき借金の元金に利息制限法の上限金利を付加した金額を超えた場合、その部分の金額を貸金業者から返還してもらえることになります。
民事再生を裁判所に申し立てる前に、借金の金額を調査するために、債権者に対し取引履歴の開示を要求して、利息制限法の上限金利に引き直し計算を行います。
引き直し計算の結果、過払い金が発生している場合には、民事再生の場合でも、債権者に対して過払い金の返還を請求することができます。
- 債権者が全部の取引履歴を開示してくれない場合は、どうなりますか?
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2005年7月19日の最高裁判決により、貸金業者に取引履歴を開示する法的義務が認められたため、現在ではほとんどの債権者が取引履歴を開示してくれます。
しかし、取引期間が長期に及ぶ場合には、取引履歴を廃棄したことを理由に全部の取引履歴を開示してこない場合があります。このように全部の取引履歴が開示されない債権者に対しては、民事再生手続でこちらが債権額を0円として届け出て、債権者から提出される債権届出を待つという方法があります。
債権届出の金額に納得いかない場合、裁判所に対し評価の申立を行い、裁判所に債権額を確定してもらうことができます。
- 民事再生では、どのような財産が処分されますか?
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民事再生の場合、住宅以外の財産で、ローンが残っていると(たとえば、オートローンが残っている自動車)、ローン会社に引き上げられてしまうことがあります。ローンが残っていない場合には財産が処分されることはありません。しかし、清算価値保障の原則により、保有している財産の価値以上の金額は最低限支払う必要があります。
- 勤務先の持ち株はどうなりますか?
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民事再生の場合、持ち株は維持できます。もっとも、清算価値保障の原則により、勤務先の持ち株の価値以上の金額は最低限支払う必要があります。
- 退職金の取扱いはどうなりますか?
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民事再生の場合、退職金は維持できます。もっとも、清算価値保障の原則により、保有する財産の価値以上の金額は最低限支払う必要があります。退職金については、将来発生する不確定なものであるため、実務上、退職金予定額の8分の1が清算価値の対象とされています。
- 生命保険は解約する必要がありますか?
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生命保険は,民事再生をした場合にも解約する必要はありません。ただし,清算価値保障の原則により,解約返戻金相当額以上の金額は最低限支払う必要があります。
- 民事再生をすると自動車はどうなりますか?
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民事再生をした場合の自動車の取扱いは,自動車にローンが残っているかどうかにより異なります。まず,自動車にローンが残っていない場合は,自動車が処分されることはありません。ただし,清算価値保障の原則により,自動車の価値以上の金額は最低限支払う必要があります。これに対し,自動車にローンが残っている場合には,自動車の所有権はローン会社に留保されていることが通常のため(これを「所有権留保」といいます),自動車は原則としてローン会社に引き揚げられてしまいます。ただ,この場合でも第三者の方に代わりにローンを返済して自動車を買い取ってもらい,その方から自動車を借りるという方法により事実上維持することは可能です。
- 住宅ローン条項を利用するための要件は何ですか?
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民事再生法では,住宅ローン条項を利用するための要件として,以下の4つを定めています。
- 民事再生をする方が住宅(建物)を所有(共有)していること
- 民事再生をする方が住宅(建物)に居住していること
- 住宅(建物)に、住宅ローンの抵当権が設定されていること
- 住宅(建物)に、住宅ローン以外の抵当権が設定されていないこと
- 住宅ローンを延滞していますが、その場合でも住宅ローン条項を利用できますか?
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住宅ローンの返済が滞り、保証会社が代わりに返済し(これを「代位弁済」といいます)6ヵ月間を経過してしまっている場合には、住宅ローン条項を利用することはできません。
住宅ローンを延滞している場合、住宅ローン条項を利用するためには、保証会社に代位弁済される前、もしくは代位弁済後6ヵ月間を経過していない間に民事再生を申し立てる必要があります。また、民事再生の申立までに相当の準備期間が必要であることから、代位弁済が実行されてしまった場合には、早急に弁護士に相談することをおすすめします。
さらに、民事再生では、住宅ローンおよび大幅に減額された住宅ローン以外の借金を、再生計画にしたがい、継続的に支払っていくことができる可能性があることが必要です(これを「履行可能性」といいます)。そのため、実務上は、住宅ローンが滞納したままだと、継続的に支払を続けられる可能性がない、と判断されてしまう危険性が非常に強いので、申立をするまでに住宅ローンの滞納は解消しておくことが望ましいといえます。
- 借金は住宅ローンだけでも,民事再生は可能ですか?
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借金が住宅ローンのみである場合でも,民事再生をすることは可能です。ただし,住宅ローンは一切減額されませんので,住宅ローンの返済期間の延長などが民事再生をするメリットとなります。
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